「華ヤカ哉、我ガ一族」感想

華ヤカ哉、我ガ一族(PSP)の感想です。






舞台は大正時代。
田舎の貧しい家に生まれた主人公・浅木はる(名前変更可能)は、父が病に倒れたことを切っ掛けに、とあるお屋敷に勤めることになります。
主である宮ノ杜一族は一癖も二癖もある人物ばかり。
散々な扱いを受けて先行き不安になる主人公でしたが、その矢先に当主・宮ノ杜玄一郎がとんでもない発表をします。
それは3月までに自分を一番楽しませた者に全財産を譲る、というもの。
6人の異母兄弟たちは、繰り広げられていく当主争いに否応なく翻弄され、多くの苦難に晒されることとなります。
宮ノ杜に渦巻く陰謀、一向に見えない当主の思惑、兄弟たちの確執、許されない思い。
元気だけが取り柄なはずの主人公もまた、それらに巻き込まれていくのでした。


まず、シナリオがとてもいい。
いつの間に好きになったんだ? などということがなく、兄弟が主人公を好きになる過程が比較的丁寧に描かれているように感じました。
攻略キャラは誰も一癖ある人物ですが、彼らの母親たち(全員異母兄弟なので6人います)もそれに負けないくらい個性があります。
もちろん一筋縄ではいかず、ときには障害になったり応援してくれたりと様々です。発売前は全員母親がストーリーに関係してくるのはどうだよ、と思っていましたがむしろ良かった。

前作(カヌチ)の時も思いましたが、立ち絵の変化が細かい。冬は白い息が出たり、状況によって立ち絵に映り込む光の色が変化したり、衣装のバージョンも多いです。
ADVイベントが一週間に一~二度ほどの頻度で起こりますし、ボリュームの点も満足。追加シナリオも配信されるらしいので、楽しみです。
1周目後半は結構依頼を飛ばしてしまったのですが、それでも10時間以上かかりました。
コンプリートとなると大体50時間くらいかかると思います。私はイベントスキップ多用・台詞を飛ばすこともありましたが、45時間ほどかかりました。
2周目以降、新しいイベントが追加されたりするので、ついつい最初からプレイしてしまうんですよね。

マップで拾えるアイテムは音声ドラマや初期イラストなど、どれも必聴、必見です。特にキャラ同士の掛け合いが面白い。かなり笑いました。
依頼は無視することも出来ますが、余裕があればコンプリートすることをおすすめします。
依頼やマップで手に入れた絨毯やカーテン、小物などを手に入れたものを好きなように配置することが出来ますし、上記の音声ドラマを聴くためには蓄音機は必須。

エンディングのスタッフロールの演出も凝っており、うっかり飛ばせない。特に隠しキャラは最後まで見ましょう。
音楽に関してはOP、EDテーマを含めどれも良い曲でした。
タイトルテーマが雰囲気にあっていてすごく好きです。

シーン再生、イベントリスト、インターフェースも相変わらず凝っています。
イベントスキップ、既読スキップ、バックログジャンプは今作も完備。
一度こなした依頼は次の周に引き継がれますし、繰り返しプレイしやすい親切さがありがたい。



惜しい点。
特殊な呼び方をするキャラクターがいるのですが、名前変更をした場合違和感のある呼び方になってしまう点。
茂や他一部のサブキャラは「お○○ちゃん」、博は「○○吉」と呼びます。
デフォルト名の「はる」ならいいのですが、三文字以上の名前だとどうも違和感が……。
愛称を設定できるようにするなど、なにかしら対応して欲しかった。
変更していると音声は「君」「あの子」など違和感のないものに変わっているので、テキストだけ目をつぶればいいんですけどね。
他にも細かな誤字、音声再生バグを1箇所発見しましたが、許容範囲です。

あとはマップ画面の操作性が若干悪い。
当たり判定が厳しめ?なのか配置が悪いのか、しょっちゅう階段や人などに引っ掛かってしまいます。
押し花集めでもらえるダッシューズ(正式名称は違います)は必須。
最初は場所を覚えるのが大変なので、部屋の名まで書かれているマップが欲しかった。移動のショートカットメニューがあれば良かったかも。
まぁ、プレイしているうちに覚えてしまいますけど、1周目後半は歩き回るのが億劫に感じることも。
ローディングは多少かかりますが、特に気になったのは探索画面へ移行するときくらいでしょうか。
私は初期型のPSPを使用しているため全体的にもたつきましたが、3000番でメディアインストールなどを使えばほとんど気にならないと思います。



次は個別の感想です。

長男・正……とにかく辛辣で厳しい人かと思いきや、意外と優しい面もあって驚きました。
序盤(五月)で雅や勇に散々罵られ落ち込んでいるところに更に怒られて、追い打ちかよ……と泣きそうになっていたのに、ぼそっと「今だけ泣いても許す」なんて言われたらコロッといってしまいますよ。ちくしょう惚れた。
その後も厳しいことを言いつつ何気なく優しい。でも母親は怖い。
ラストの告白~スタッフロールの流れは、王道ですが切なくて泣いてしまいました。声優さんの演技も良すぎる。その後の兄弟連携で大笑いしましたがw


次男・勇……とんでもなくドSキャラかと思いきや、意外とかわいいところがあってニヤニヤしました。他のルートでもその片鱗が見えますが、絶対天然ボケですよね。
結婚しないのは白雪姫~のくだりは意外な一面にびっくりして、その理由に二度驚きました。
たえちゃんとの喧嘩辺りは心が痛かった。嫉妬しちゃう気持ちも分かるし、でも主人公にはどうしようもないし……仲直りできて本当に安心しました。
そして勇は主人公好きすぎ。トキ様は格好良すぎ。


参男・茂……どんなことも軽くこなしてしまう飄々としたキャラだと思っていましたが、全然違いました。
立ち直ったかと思えばまたどん底に突き落とされて、主人公のおかげでまた立ち直ったけれど、立場や自分の過去の行いを思い身を引こうとする。思いが通じ合えたかと思えば……という踏んだり蹴ったり。
辛いというか、真っ当な意味で心が痛い展開でした。
ラストの兄弟愛にうっかり泣けた。親父に殺意を覚えたルートでした。


四男・進……前半は三治共々ほのぼの進んでいったので、癒やしルートだと思いきや……そんなわけがなかった!
佐伯家舞踏会後どこか薄ら寒さを覚える口調になってしまうし、だんだん軟化していく&親しくなっていく他兄弟とは違った気持ちに。
縁談のシーンでは久しぶりに感情のこもった言葉を聞けてホッとしてしまいました。
後日談を見ると、実は兄弟中、進が一番Sなんじゃないかと思いますw
あと文子様が可愛くて、親父を嫌う気持ちがちょっとだけ薄らぎました。ちょっとだけな!


伍男・博……最初から友好的なので、比較的安心して進めることができました。
とはいえ一筋縄では行かず、立場から来る考え方の違いなどですれ違い、迷いまくる展開は王道ながら萌えました。
兄弟の中で精神的に一番子供ですが、一番成長したのも博だと思います。
最後のお別れがまた切なくて……間髪入れず後日談を見るべし。
大人になった二人がかっこ可愛いです。


六男・雅……全力で嫌がらせをしてくるので「コイツ絶対折る!」と思っていたのですが……個別に入ってからは不器用で、でも直球で可愛すぎます。思春期最高。
いつまで経っても自覚しないのに、主人公は自分の物だと言いまくるのがたまりません。
段々と扱い方に慣れていく主人公も面白かったw
最初の辛辣さはどこへやら、エンディング後は主人公が尻に敷いてそうですね。


隠し……声までガラッと変わってしまう二面性がすごい。
他攻略キャラとは違った意味での禁断の恋ですので、背徳感がありドキドキします。
ラスト、まさかあそこで別れるとは思っていなかったので「えええ!?」と思いました。ちゃんと再会できて良かった。
しかし、このルートの玄一郎は珍しくまともでしたね……まさか息子としての戸籍まできちんと用意してくれるとは思いませんでした。



とりあえず……玄一郎てめえ一発殴らせろ的なルートが多かったです。マシだったのは進と隠しルートくらいか。
最初はギスギスしっぱなしの兄弟関係ですが、意外と仲の良い彼らの掛け合いが面白かった。ラストの方になると兄弟愛に助けられたりすることもあり、感慨深くなります。
喜助エンドがないのは不満。あんなに良いキャラなのに!
総じて良いアシストをしてくれるので、喜助を幸せにするルートも欲しかったです。
三治も好きですが、たえちゃんと幸せになってくれ。
知らない声優さんばかりだったのですが、どのキャラもキャスティングがぴったりで、かなり良かったです。

昼メロのような雰囲気が好きな方には特におすすめ。
ストーリーは濃く、王道の萌え展開を散りばめながらも予想外の展開もあり、ついのめり込んでしまいました。
序盤のゴミだの虫だのクズだの下郎だの役立たずだのといった罵りに負けず、プレイしてみて下さい。




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